師:蓑田千津子先生インタビュー
師匠である蓑田千津子先生にカラダの事やトレーニング、そして古川の事もお聞きしました。みなさんにも何かのヒントがあると思います。
トレーナーへの歩み
聞き手:それではよろしくお願いします。
蓑田千津子先生:よろしくお願いします。
聞き手:今までの経歴とか現在教えてらっしゃることをするきっかけっていうのはどういう経緯だったのでしょうか?
蓑田千津子先生:小っちゃい頃から、もう小学生ぐらいから、私達の時代だったら珍しいエンタテイメントとか、そういう運動っていうよりも日本にはまだなかったようなものを小ちゃい頃に目にして、「ああいう風にバックで踊りたい」とか、「コーラスの皆さんになりたい」とか、そういうおぼろげな、映画のワンシーンから感じたりとか、そんな感じでそういう人に見せるのとか、で、自分を鍛えてみたいな、そんなのを何となくですね。
聞き手:具体的にはそこからどういう風に?
蓑田千津子先生:まずジャズダンスとか学んだんですね。自分が社会人になってから。それからフィットネスというものが日本に入ってきたんですよ。その頃がそういうフィットネスブームって言ったりする時期で、その頃の私って歳は20代じゃなくて30代の後半ぐらいだったんですけど、でも第一期生なんですよ、養成。私の先生がされた。
養成するきっかけは大手の某スポーツクラブ。全国展開のスポーツクラブが東京から九州に第一店舗、メガ店舗を建てるっていうことで、「そこのスタジオインストラクターを養成してください」という話が、私が習ってた先生、ジャズの先生にきて。その頃ってジャズだったんですよね。ジャズの生徒さんから養成をその先生引き受けて「しますか?」みたいな感じでちょっと声掛けられて、やったんですけど、私達もエアロビクスか何かよく分かんなかったんですよ。エアロビクスっていうか、そっちが展開、スポーツクラブの方がおっしゃってるものがよく分かんなかったんですけど、とりあえず頑張りましたみたいな感じですね。
それからずっといろんなものを身に付けて。とりあえず資格を取って、インストラクターっていう、これは民間資格なんですけど。あとは自分がしたいものを自分で研修受けて身に付けていく。だからボクシングもしましたし、フィットネスボクシングとかも。
聞き手:ボクササイズみたいな?
蓑田千津子先生:はい、ボクササイズやりました。だから「新しいプログラムをしてください」って言われると、「こういうやつをしてください」みたいなお客様がいて、スポーツクラブから振られると、要望がある新しいプログラムをするため、対応できるようなものを身に付けから、それを早く「こういうエクササイズがあります」みたいな感じで提供していました。よくありますよね? あんな感じですよね。
聞き手:言われてそういう風な形になるのですね。
蓑田千津子先生:そうです。
聞き手:ご自身自体が興味を持ってそこを取り入れようっていう感じもありますか?
蓑田千津子先生:それもあります、もちろん。格闘技とか、身体作りが好きなので。ダンスも好きですけど。
元々はキレイな身体を作りたいんですよ。キレイな身体っていうか、整った身体。みんなキレイって言ったら体重だけで言いますけど、そうではない。やっぱり成り立ち。身体の骨格とか、それに付随する筋肉とか、そういうものがバランス良く付いてて、なお、動きができるっていうことは、本来はみんな持ってる身体の機能が凄いのに実際はクオリティーが悪いってことですよね。
だから使ってない部分物凄くあるんですけど。そういう人達よりは私達の方がいろんなポーズができたりするわけですから。私は身体はフィギュアと思ってるので。フィギュアの関節が多いんですよね、部分がね。普通の人は100あるとしたら50しか動かしてないと。私は80を目指してしようかなと思って、「こうなったらどうなる?」みたいな感じで自分でこう骨格を動かしますね。
そうすると、スケルトンで見ると骸骨が動いてるような形になるんじゃないかなと。「肩甲骨動かしたらどうなる?」みたいな。
聞き手:肉体の探求みたいな感じですか?
蓑田千津子先生:そうです。
本質を追求する
聞き手:探求を行う際に肉体もそうですけど、それに伴う精神的なものっていうのはどうですか?
蓑田千津子先生:精神的なものは、やっぱり何かの本質が分かってくるといろんな周りのものの審美眼が出てきます。だから心を勉強しないことはありませんが、やってるうちに深いところまでいろいろ「こうかな?」とか努力してやってたりすると、何かが見えてくるんですよ。
全部一緒だと思います。いろんなことに真剣に取り組んでいったら、いろんなものの視野が広がって審美眼っていうか、私に必要なものとかいらないのとかのジャッジがわりと昔よりもハッキリしてきますね。自分の心がどういうものが必要かとか、どういうものを求めてるっていうことが、自分が分かるようになるって言うんですかね。
聞き手:極めてこそ見える世界。
蓑田千津子先生:まだ極めてないんですけど。(笑)
聞き手:でもそういうことですよね?
蓑田千津子先生:じゃないかなと、今になって思うんですよ。まだ途中ですけど、昔と比べれば今の方がそういう意味で無駄がないし、身体に無駄がないってことは無駄な動きをしてないし、故障がないってことは正しく使ってるんじゃないかなという感じです。
聞き手:ありがとうございます。今ご自身のお話が中心でしたけど、インストラクターっていう役割もあるんですけども、教えるのが好きって感じる瞬間ってありますか?
蓑田千津子先生:自分が好きだから、自分を鍛えたり、自分の理想のヴィジュアルを作り出していく方法は、人に言われてしたわけではないんですよね。そうすると、それって研究と一緒で、いろんな研究をなさってる、凄く社会に貢献するようなことをなさってる方もいらっしゃいますが、私は一番底辺ですけど、そういう本当に日常の中で使える、皆さんが持ってるのに使ってないものを「こうやって使ったらいいじゃないですか」って言う提案ですよね。
結局は膝が痛いとか、腰が痛いとか、首・肩が凝るとか、それから太るとか、そういうもの、そういう正しく整えることによって「何かがあるからそんなに腰が痛いんですよ」って。その原因があるわけで。原因と結果。言葉で言うとそうなりますけどね。「じゃあ、原因を正してください」っていうことは、「私が言うことをしたら良いんですよ。私は全然ノートラブルで凄く幸せです」みたいな、生き方として。
そこを皆さんも、お医者さんに行って先生が直してくれるとか・・・違う違う。毎日ちょっとずつ悪くなってる。いきなりはなりません、何でも。必ず。
聞き手:それを生徒さんなりそういった人達に気付きを与えるみたいな。
蓑田千津子先生:言葉の中でやりますね。だから私のレッスンは、商業ベースに乗った大きなスポーツクラブで誰でも入って来て、汗掻いたら運動した気になるというクオリティーではないです。それは私がしなくても他の方が伝えられると思います。
私はもっと何か、何かって。それはきっかけを持ってくださるのは私を見て「どうやったらあんななるとかいな?」っていう単純な疑問ですね。それはヴィジュアルなんですよ。だから見かけは凄く大切。説得力あるんですよ。で、長年かけないとできない。「お金500万、してください」って言われてもできない。あなたがしないといけないので。で、ちょっとずつしかできない。だからみんなが羨むんです。羨ましいなって。お金いっぱい持ってる人でも、「私先生のように1週間でもいいけんなりたい」って言うんです。なりません。今からしたら後はなっていきますけど、入口に立ってご自分でなさらないと肉体は変わらないですね。その中で精神が変わってきますし。
指導についての考え方
聞き手:現在まで活動されていく中でご苦労した点っていうのは何かありますか?
蓑田千津子先生:ご苦労とかないんですけど、欲を言えばもっと私の教室の、個人の教室の受講者が増えてリモートが上手くいったらいいなと思います。
リモートレッスン。これからするんですけど。もちろん知ってる方に。今からの時代ですね。どういう風に変化して、どういう風に伝えることができるのかなと。お客様として参加してくださる方が合うのかなっていうのがベースですね。
聞き手:苦労というより可能性?
蓑田千津子先生:苦労じゃないですね。可能性しかないですね。できてもできないでも可能性なので。「できなかったらもうちょっと違うとこを考えようか」みたいな。もう上しかないですね。
聞き手:ポジティヴシンキングっていうか、そういった感じですか?
蓑田千津子先生:そんな言葉を使わなくても普通です。
聞き手:凄い勉強になります。
蓑田千津子先生:いやいや。(笑)
聞き手:同じ括りで考えられるトレーニングと違う点、こだわりというか、今までお話聞いていく中では、たぶん部分的にはいろいろお話いただいたと思うんですけども。実際大手のそういったところのインストラクターもやられてたと思うので、そういったところで習う部分と今ご自身でやられているレッスンはどういった違いがありますか?
蓑田千津子先生:大手は大きなスタジオの中に30人とか50人とか入れてするんですね。それを私が一人で鏡がこうあってマイク使ってやるんですけど、どうしてるか分かんないですよ。一人一人見えてないです。まあ、前の方の人は見えてます。でも、それを「違うよ」とは言えない。楽しくこうしてたら「はーい」とか言って、要するにビジネスっていうかサービス業に徹しなきゃいけない。集客かかりますしね。スタジオでこの先生何人って。
もちろん時間帯とか、時間によって違いますけど、とりあえずそういう先生による差は出てきます。それは時間とかメニュー。だからそれは出てきます。それで「先生少ないです」って言われても、「いやいや、7時からのレッスンでは来ないでしょう」って。「なので、8時からが良いでしょう」って。そういうこともあるんですよね。だから自分のしたいレッスンはできません。集客上がれば良いんです。ビジネス。
聞き手:今ご自身のスタジオでやられているものはどういったものですか?
蓑田千津子先生:私が集客してます。だから月4回しかしないけど、大手ぐらいの値段は取ります。受講料。その代わりいっぱい入れません。
聞き手:数はある程度ですか?
蓑田千津子先生:数は少ないですね。それとメニューが同じメニューばかりではなく、「今回はポールを使ったやつをやりましょう」とか、「今回は腹筋頑張る」とか、「今回は上腕のストレッチ」とか、私の考えでしたいことを生徒さんに言って「どう?」ってやってみて提案したり、向こうから「先生これしたい」とかって。
時々ダンスもしますし、エアロビクスも、とりあえず全部できるので、いろいろメニューは自分で考えて飽きさせないように。ずっと来てくださってるので、同じスタジオの時間で区切ったメニューじゃないので、アラカルトで「今月はこれしようね」とか、「あ、でもしてたけど、みんな出来が悪いからもうちょっとそこやるよ」みたいな、そういう感じですね。
そうじゃないと、予定通りに行うインストラクターが一番ダメですね。それならあれで良いじゃないですか、配信で良いじゃないですか。
聞き手:今の状態で言えばですよね?
蓑田千津子先生:と思います。だからその方をよく見て、「この人ここが伸びてないね」とか分かるし、「息止まっとうね」とかも分かるし。そういうのまで見てないですもんね、スタジオインストラクター。見れない。だって後ろまでこうやって、しながらは無理ですものね。
聞き手:今お話聞いてても、人数はある程度いるにしても個人個人の状態とかを見られてて、そこに適格なアドバイスをされて。
蓑田千津子先生:してますよ。
聞き手:形を変えたパーソナルトレーナー。
蓑田千津子先生:そうです。だから私はスタジオレッスンと、グループレッスンとパーソナルトレーニングの中間です。それと私、整体師をしてるんですよ。だから身体を当たれるんですね。身体を当たれます。その勉強をして資格を取ったので。
聞き手:メカニカルなことも。
蓑田千津子先生:そうです。大体先生はあたりません。指導しません。でも私は股関節をこう、「ちょっとマッサージしようね。開き悪いよね」とか言って。で、「みんなもして、ここを押すんだよ」とか、その方をモデルにして、「そうやってするのね」と。「お風呂から上がったらちょっとしてみたら変わるわよ」っていう感じで、そういう提案はやっています。私の知ってる知識を皆さんに教えて、それでより良く身体に対して興味を持って、それが自分の今の身体の改善に繋がっていくのが良いんですから。
だからお医者さんで治せるものではない。私はそう思ってます。だって自分の日常生活の中でいつもこうしてるからここが曲がるとか。これをお医者さんに言っても「あなた背を良くしてください」、お医者さんは痛いとこに痛み止めの湿布をくれるだけですよね。これは対処療法であって、こうした人をこう治していかないと、この筋肉と関節の使い方が悪いので、バランスが悪いので、そうなるんですよ。だからそこです。お道具の使い方が悪いんです。
当スタジオトレーナー古川智子について
聞き手:趣向を変えて古川先生についてなんですけども、出会った当初から現在に至るまでの印象っていかがだったでしょうか?
蓑田千津子先生:古川さんは小倉のビッグバンっていう、今もうないのかな? 百貨店の上に10階にあったビッグバンっていうスポーツクラブでお会いしたんですよ。お写真見られたことがあるかと思いますが、凄く歪な身体でした。でも運動好きで、彼女も凄くポジティヴなので。一見して「この人何かおかしい」って。関節とかいろんなとこがね。背が高くてキレイなのに、何かおかしいんですよ。
で、身体キレイにしたいっていうことで、「私やってるよ」と。「プライベートレッスンやってるから、私のとこに来れば、通ってくれれば治しますよ」って。「行きます」って凄いあれで、そっからの出会いで小倉のスポーツクラブのスタジオで私のレッスンに入ってくださった会員さんですよね。そこからですね。
そこから下関から福津まで通い詰めて15年ぐらい。それは素晴らしいですよ。私いつも言ってるのは「手に入れたいものは自分で取りに行きなさい」。私が与えるものだけでは育ちません。「自分で取りに行ってください」って、よくいろんなこと言うんですけど。だから彼女は必死で取りに来ましたよ。その熱心さっていうか、素晴らしいですね。だからこれだけのスタジオができたと思います。地元でもないのにね。
やっぱり今も凄く努力をしてらっしゃるし、真摯に向き合ってらっしゃって、学ぼうってする姿勢が凄くありますね。もう凄いですよ。研究者ですね、どっちかって言うと。私はおちゃらけたりするんですけど、彼女は正統派。だからいろんな知識を得て、調べていて、それをホームページとかも発信してるじゃないですか。凄く正統派的な組み立てとかしてますよね? ああいうのはやっぱ凄いなって思いますね。それでいてバイタリティーがあって。ブレないですね。
聞き手:古川先生のそういった印象の中で、今までで一番印象に残ったエピソードとかってありますか?
蓑田千津子先生:エピソードいっぱいあるんですけどね。(笑)
そう言われていつも言うものは、私が小倉にJRで通ってた時に、古川先生が電話してきて「先生、何時のJRに乗りますか?」って。「●●時だよ」「そうですか、少しお時間くださいね」「いいよ」って、何かよく分かんなかったんですよ。水巻駅に着いたら水巻から乗って来たんですよ、私の乗っている小倉行きの列車に。「すみません、先生」ってノート持ってるわけですよ。「こことここがちょっと分からないので、これをちょっとのお時間でいいので、小倉までご一緒させていいですか?」って。
聞き手:凄い。
蓑田千津子先生:素晴らしいんですよ。そんなことする人はまず他のことに関してもないですよ。そこまでのエネルギーで。
「先生のお時間すみません」、JRに乗る中で15分か20分かな、「ご一緒していいですか?」って。素晴らしくないですか? それは感動しました。「うわー、凄い」って。見習いたいって思いました。そのアプローチをね。
そりゃ、こうなりますよ。これが成功したって意味ではないですよ。そうではなくって、これだけのスタジオを維持して、生徒さんを集めて、一人でやってらっしゃるって、やっぱりその揺ぎないものがあるっていうのが、凄いと思います。
聞き手:今までお弟子さんみたいな人いっぱいいらっしゃると思うんですけど、やっぱりその中でも突出した存在ですか?
蓑田千津子先生:全然違う。もう全然。学ぼうという何か自分の知らないものを私からすべて学ぼうっていう姿勢が凄いです。
聞き手:それはもう先生がご自身で先ほど言われてた内容がそのままじゃないですか?
蓑田千津子先生:そうなんです。考え方とか、身体に関する考え方が、王道が似てたんですよ。身体ってものを理解しないと。じゃあ、どうやって理解するかっていう、何かそこらへんの話が凄く共鳴する部分があるので、だから言ったらピンと来ますし、頭の中が凄くそういう繋がりがクリアなので。
精神性もあるんです。精神性も彼女は高いので、わりとそういう話もするんですけど、低いところで身体のこと話す、「ここが痛くてさ」とかいう話はないですよね。「何なら私達、皮と肉と脱いで骸骨になって動きたいよね」っていうぐらいの。「肩甲骨剥がしてみたいよね」みたいな、「ここ掴みたいよね」みたいな。
だから、よくお腹のマッサージをする時に、骨盤を掴んでこの背骨まで、腸骨の裏まで指が入る。要するにこう掴むわけですよね。腸骨をこう掴むって、それは中が柔らかくて、息を吐いてふうって、ややこしいと掴めないんですけど、そういうこと言うと従いますよ。肋骨の間に手入れてとか。そういう何ですかね、運動から発してるんですけど、フィットネスから発してるんですけど、身体です、身体。人間の身体から発して心、考え方。だから発想がないと動かないんです、人間って。食べたいって思うから食べる。動作が起こるんですね。だからやっぱり精神性のそういう共鳴する部分があるんで、さらにお互いに、私も凄く勉強になりますし。
聞き手:刺激になる存在であると。
蓑田千津子先生:はい。凄くなるし、何が凄いかって言うと、彼女の身体は別人のように変わりました。ご存知ですか?
聞き手:僕も写真を見せていただいたんですけど。
蓑田千津子先生:あれは私が教えたのを忠実に、200%くらい努力してやったからああなった。そうなんです。だからそれを手に入れたかったんですよ、彼女。「先生みたいになりたい」ってよく言ってましたから。
だからその努力をしてて、結局はなったじゃないですか。わかります? これが私の結果です。だから彼女は私の結果です。「伝えたことをあなた身体で表現してるよ」っていうことです。
聞き手:それを古川先生は取りに来たってことですよね。
蓑田千津子先生:そうです。それは何で取りに来たかっていうと、やっぱりきっかけはフィットネスクラブで私の身体を見たから、動きを見たから。ヴィジュアルっていうのは凄く大切ですねって。
普通の方は見てて「脂肪が溜まっとうね」とか、私達はそういう風に見て、「この人可愛いのに滞っとうね」「足首太いよね」とかね。「これ改善できるのにな」って。する意思がなければいいんですけど、そういう自分で改善できる、それも健康に繋がる、で、自分に自信が持てる。
だから言うんですよね、「人と違うことを努力したらそれはお金になります」って。身体も一緒です。ものじゃなくて、これを言っていけば、その指摘してきたことのノウハウを伝えればいいわけですから。それは先生もそうやってされてますし、彼女はこういうの取り入れてスタジオがあるからシルクとかをして、維持していく上でもね、いろんなことを展開されてます。
素直である事
聞き手:次の質問で、現代人にとって大事なことは、先生が考える上で何ですか?
蓑田千津子先生:身体を通してですか?
聞き手:はい。
蓑田千津子先生:まず身体を好きになって理解することでしょうね。今どういう状況で自分の身体があって。まずですね、まあ、こういうことはないんですけど、例えばピタッとしたこういうウェアを着て、私と一般の方と、私71になりますから、そのくらいの方と一緒に立ちますね。もう全然別ものです。まずそこを、みんなね、見てないんですよ。認識してない。周りの人がもうみんな崩れた人ばっかりだから。で、膝が痛いとか、いろいろですね。
「先生何でシワがないと?」、そりゃ、シワを作らんように、毛穴をちゃんと開きっぱなしにならんように、ちゃんとマッサージしたり、血流を上げたり。まず血流を上げることですよ。細胞を活性化させる、と。これが一番。酸素を取り込んでいくのが一番。頭もそうです。頭も、ふうって吸った時に全部全身に酸素が行き渡ってるという、こういう思いが自分の中で広がっていって、これはヨガとかにも関係あるんですけど、そういう発想が豊かなこと。「え、ぜんぜんなんないし」って言ったらなりません。
聞き手:まずそこを信じることですか?
蓑田千津子先生:信じるっていうか、素直に。だってなってるんですから。「どうして先生シワがないんですか?」とか何とか言われます。もちろんありますけど、比べたらないっていうことでよろしいかと思いますが、「どうしてないと?」「いや、教えてるじゃん」って。「その通りにしなさいよ」って感じですよ。でもしない。努力をしない。「お腹引っ込ませたい」って、「それいつも教えてるじゃん」って。「家でもしてね」、しない。した人が古川先生。でしょ?
必ず原因があって結果があります。良いも悪いもね。ずっと寝てたらそんな身体になります。一生懸命頑張ったら古川先生みたいに肉体改造できます、自分で。それが自信に繋がります。仕事になります。
やっぱり身体っていうのは切り離せないので、心と身体。生きていく上の大切なものなんですね。これをどう使うかでお金も稼げるし、女性だったらステキな男性と出会うことができますし、それが全部ではございませんけど。でも、何かを極めようと思う。極めてるわけじゃないんですよ。まだ途中ですから。極めようっていう人がある人はエネルギーがいつもあってキラキラしてます。それは感じます。
聞き手:お話聞いてるだけで、それは全然感じますね。
蓑田千津子先生:もう自分の中から湧き出ます。人がしてくれるもんじゃないって分かってるし、人からしてもらいたくない。自分でもっと開発したい。だって自分ですよ。その人がいなくなったら、「じゃあ私は廃れるの?」って。「命はなくなるの?」って。人には由来しない。だって一人で産まれてきて一人で死んでいくんでしょ。自分を最大限、自分の持ってる与えられた肉体だったり、いろんなものをやっぱり消化したい。
昇華すると上に、まあ、こういう話をするとちょっとあれかもしれませんけど、私はそういう風にヨガの世界を知っているので、肉体と魂とか、精神性のものも少しあるので、消化してエネルギーが上に上がっていくみたいな感じですね。イメージ的にはね。
聞き手:では最後の質問なんですけど、今後の展望とか目標とかって何かありますか?
蓑田千津子先生:今後の展望? 展望って大それたものはありませんが、ウィズコロナでどれだけ仕事がどういう風に変わっていくかっていうのは、もう全然未知なので、別に流れに任せます。全然流れていきます。繋がっていきますっていう感じです。
聞き手:何かそれで感じられてるものってありますか?
蓑田千津子先生:ありますね。何となく。それは私にしか分からないと思います。「リモートせにゃいかんね」って思ってたら、1週間前ぐらいにそういう関係の友達の旦那さんが「千津子先生、僕のYouTubeの配信するけん、何かしてくれん?」って言って。それで来週の日曜日に打ち合わせするんですけど。そんな何も私振ってないのに、その人がよく私を思い出してくれてありがとうって。「使ってください」みたいなね。
聞き手:周りがそうやって話が流れてくるのに身を任せてるっていう。
蓑田千津子先生:そうですね。良い話しか来ません。分かります。その方も凄く良い方だし、全然知らない方じゃないので。いつもよくご飯食べさせていただいたり、そっちの家庭でね。とかいう旦那さんなので、私の人柄とかも知ってるし。そういう方からフッてなったりしてるので。今後の流れは私が作ってくもんじゃないんですよ。作ろうとはしてないんです。
聞き手:そうなんですね。
蓑田千津子先生:はい。できるものを出していってるだけですね。それを、ビッグビジネスにはならないんですけど、私が満足してます。したいことなので。これが何かと繋がっていくと、制約が入ってくるんですよ。「先生こうしてください」ってなってくるんですよ、大手スポーツクラブみたいな。そうすると凄くもう違う方向に行っちゃって、したいことができないし、どんどん若いインストラクターは来るし、チャカチャカして楽しいかもしれないけど、私そこ卒業して違うとこ行きたいんやけど、みたいな感じですね。
聞き手:極力そういうストレスは抱えないようにしてる。
蓑田千津子先生:抱えないですね。私執着しないので。自分は守りますけど、自分の身体は自分の理想に近付けますけど、私があれば良いんですよ、自分が。それがちょっとビジネスになってくれば良いし、自分の思い通りに行くものではないので、それは分かってるし。思い通りに行くと思ったらストレスになる。流れがあるんやったら乗っかって、「いいよ、いいよ、おいで」って言われたらそれに行って、自分のできることをしたいし。
どうなんですかね。いろんなことがありますよ。健康食品のモデルになってくださいとか、いろいろありますけど、それは使い捨てです。お金はいただきますけど、それはそれで良いんですけど、別に。そこはしたいわけじゃないので、有名になりたいわけでもないし。真実は自分が知ってればいいと思う。
聞き手:そうなんですね、なるほど。
蓑田千津子先生:取りたい人は来たらいい。こっちから押し付けるものではないし、だってそうでしょ? 何でもね。気付きじゃないですか、令和はね、たぶん。内なるものに変革。それが分からない人は淘汰されますね。ヨガのそういう方が言ってらっしゃいますね。自然にそうなっちゃうんですよ。そういう変革の、だから、じゃないかなと思う。という感じもします。
自分らしく生きる
聞き手:最後に一言ですけども、古川先生にでもいいですし、世の中の女性に対して、先生なりのメッセージって何かありますか?
蓑田千津子先生:ありますね。私の歳で今度71なんですけど、見かけの通り71歳の巷の人とは全然違う格好してるし、雰囲気も全部違うとは思うんですけど、これは、皆さんは怠っているんです。
女性に生まれてきて優しさとか、女性らしい持ってる感情とか、日本人は特に女性らしく可愛くいい歳して恥ずかしいみたいなね。そういう日本人多いですね。だから私は日本の中ではちょっと「え!?」みたいな感じとは思います。でも、別に自分の持っている魅力を発揮しちゃいけないんですか、って感じですね。魅力と思ってるものを。
聞き手:自分の魅力を出していきましょうよ、と。
蓑田千津子先生:それがエネルギーですよ。エネルギーですよ。
私達もカッコイイ男の人を見たら「ステキ」って言うじゃないですか。彼が持ってるからです、エネルギーを。美しいエネルギーを。絵だってキレイな絵見たら「ああ、何!?」って感動受けるでしょ? エネルギーですよ。いただいてるんですよ。曲も人の歌も演劇も全部です。もう全部。その人達だけのものじゃない。私達人間がみんな持ってる。与えられるものもあるし、そっから刺激を受けて自分の中からリスペクトしていくものもある。だからそういう客観的な自分を見れない。幼稚なんですよ。
聞き手:確かにそうですね。
蓑田千津子先生:だと思います。小っちゃい中でぶつかって、ストレスを打ち破ればいいじゃん。「そこを出ていいとよ」って。でも勇気がない。でも「手に入れたら失うものが必ずあります」って。いや、そんな欲深くはできませんよ。
よく言いますよ、歳ちょっといった人が。「いいよね、先生みたいに生きられたら」「生きればいいじゃん、自分の生きたい通りに」って。
聞き手:正直に生きてるってことですね。
蓑田千津子先生:正直っていうか、そうですかね。たぶんそうかもしれないですね。鼻持ちならんって人もいると思いますね。いいですよ、それは羨望なので。私は羨望するものはないと。だって、自分が上に行くことしか、上って言うか、自分の理想に近付くことが自分の欲なので。欲っていうか。
聞き手:喜びですね。
蓑田千津子先生:喜びなので。ひがむ人いますよ。「そんな短いスカート履いて、そんなピチピチ着て」とか。「え、着ればいいじゃん」って私。「着ればいいじゃん、好きなもの着とうやろ?」って。「それを着たかったんやろ?」って。「いいねって言うんだったら自分も履けばいいじゃん」って。普通にフランクにいいます。「え、着れんよ」って、「着ればいいやん」って。だって着ていいんですもん、別に。誰も着るなって言ってないですもん。で、「良いね」って私を言ってくれるんですから。おかしくないですか?
聞き手:令和になってこれからの時代としては、そういう日本人じゃなくて、自分の好きな慈しんでいるものに対して正直に表現することが一つのスタイルだと。
蓑田千津子先生:が心地良い、と。心地良いという。精神の安定。だからそういう作られた世界の中でお金、だいぶ変わってきたでしょうけど、そういうものに流されてる。流されて生きてきているんですよ、私ももちろんそうですけど。でも分からないと、もういけないですよね。
で、マスコミに左右されて、台風が来るって言ったら、「あっ!」って買いに行って、とっても渋滞を起こして、「何?」みたいな。「食べるのだから痩せろ」と言いたいです。「この機会に絶食して断食してみ」みたいな。そういう風にポジティヴに捉えられて、「じゃあ、良い機会やけん、断食してみようかな」みたいな、そこですよね。その発想ですよ。マイナスをプラスに自分の中で変えていけば、台風来るのが楽しみになるかもしれない。
聞き手:僕も聞いてていろいろためになるお話が。
蓑田千津子先生:ためっていうか、だた経験を言ってるだけで、自分の経験しかないので。いろんな面白がって、私は思います。たくさん面白がって、たくさん興味を持って、たくさん楽しんでくださいって。自分を面白がって。「え、私こうなったらこうなるんやね」とか、「え、こんな顔するんだ」とか、とりあえず面白がって、まず自分をね。自分を面白がる。持ってるものを面白がるっていうとこですかね。
聞き手:お話ありがとうございました。
蓑田千津子先生:ありがとうございました。